春になると花粉の飛散が増え、くしゃみや鼻水、目のかゆみなど花粉症の症状に悩まされる方が増えてきます。
特に、春は「風邪(ふうじゃ)」と呼ばれる外からの邪(病のもと)が入りやすい季節で、漢方ではこの時期の体調管理がとても大切とされています。
花粉症はアレルギーの一種ですが、漢方では単にアレルギー反応としてではなく、「体質の乱れ」や「五臓(特に肺・脾・腎)のバランスの崩れ」と捉えます。
つまり、毎日の食事で内臓の働きを整え、体のバリア機能を高めることが、症状の緩和につながるという考え方です。
春におすすめの“和らげる食材”と、できれば避けたい“悪化させやすい食材”を分かりやすくご紹介します!
和らげる食材(花粉症を軽減しやすい)
🍠 れんこん:肺を潤し、粘膜を強くする働きがあります。花粉によるくしゃみや鼻水、のどの乾燥を和らげるのにぴったり。加熱することでその作用が高まり、すりおろしてスープに入れるのもおすすめです。
🌿 シソの葉:漢方では「紫蘇(しそ)」は気の巡りをよくし、冷えやアレルギー反応を緩和する食材として重宝されます。サラダや炒め物に加えるだけでなく、お茶にしても効果的です。
🧄ねぎ・しょうが・にんにく:いずれも体を内側から温め、気血の巡りを促進します。特に冷えが強い方や、鼻づまりが気になる方に◎
🍵 甜茶:花粉症対策のお茶として知られ、ヒスタミンの働きを抑える成分を含んでいます。香りがよく、毎日のティータイムに取り入れやすいのも魅力。
🥬 春菊・小松菜・ほうれん草:ビタミンA・C・Eや鉄分を多く含み、免疫機能をサポート。特に春菊は気の巡りと解毒の作用があり、春の養生に最適です。
🌰 黒ごま・クルミ・松の実:腎を補い、潤いを保つ食材。肌や粘膜の乾燥を防ぎ、目のかゆみや喉の違和感にも効果が期待できます。
🥣 発酵食品(味噌、ぬか漬け、納豆、キムチなど):腸は“第二の免疫器官”とも言われ、腸内環境を整えることはアレルギー体質の改善にもつながります。
避けたい食材(症状を悪化させやすい)
🍦 冷たい食べ物・飲み物:体を内側から冷やすと、気の巡りや水の代謝が悪くなり、免疫力が低下します。冷たいスムージーやアイスクリームなどは、春の不調を悪化させる要因に。
🍰 砂糖や甘いスイーツの摂りすぎ:甘いものは“湿(しつ)”を生みやすく、鼻水や痰、むくみを悪化させる原因に。特に冷たい+甘いものは避けたい組み合わせです。
🍺 アルコール類:一時的に体を温めるように感じますが、実は「熱」を体にこもらせやすく、炎症やかゆみの悪化につながります。花粉症がひどい時期は控えめに。
🥩 脂っこいもの(揚げ物、加工肉など):油分が多い食事は、消化器系に負担をかけ“湿熱(しつねつ)”を生みやすくなります。これが体内にたまると、鼻詰まりや目の炎症を引き起こします。
🥛 乳製品のとりすぎ:体に“痰”を溜めやすく、鼻づまりや咳の原因に。特に冷たい牛乳やヨーグルトは控えめにしましょう。
食べるもので、花粉症の出方も変わる!
漢方や薬膳の知恵では、季節や体質に合った食材を選ぶことが健康への近道だと考えます。
春は「肝」のエネルギーが高まる季節でもあり、気の巡りや解毒が重要です。
花粉症がつらい方は、「温める・潤す・巡らせる」を意識した食材を取り入れることで、体の中からやさしく整えることができます。
毎日の食事の選び方ひとつで、体の変化は確実に現れます。
食べることを味方につけて、花粉症の季節をもっとラクに、もっと心地よく過ごしてみませんか?
食べることから、花粉症をもっと楽にしていきましょう♪